『パラサイト』を韓国+ヨーロッパ+東南アジア+中南米の学生と鑑賞してみた
こんにちは、MATSUKOです。
先週の土曜は、外国語映画として初のアカデミー作品賞を受賞した『パラサイト』を
留学仲間とともに鑑賞しました。
パラサイトの内容はもちろんのこと、友達たちの反応がとても色とりどりで充実した夜だったので、少しでもコスタリカ留学の様子が伝わればと、ダイジェスト版を皆さんにお届けいたします!
(※一部ネタバレあり※)
この鑑賞会の主催者はフィリピン人のクラスメート。
いつも通りノートパソコンを皆で囲んで見るのかと思いきや、
大きなスクリーンのあるコスタリカ家庭にお邪魔してワイワイ鑑賞しました。
メンバーは、韓国、フィリピン、ベトナム、ベルギー、コスタリカ、ホンジュラス…などなど各国から集まった映画好きの精鋭たち。
って嘘です。実際は大学のクラスメートと食事を持ち寄り、ワイワイ鑑賞しました。
『パラサイト』は韓国・ソウルにおける都市の貧富差を描いたコメディ要素あふれる社会派作品です。
序盤、メインのキャラクター(男子)が出会ったその日?に女子高生にキスをするシーンがあるのですが、
そこでムードメーカーのベトナム女子が
「Oh my god, キス早い!早すぎ!!!!」
と騒ぎ出し、一同爆笑。
ただ、後半は一気に…
かなり血なまぐさくなるんですよ。
伏線たっぷりでキャラクターたちの憎悪と暴力をあおってくる。
みんなでソファーや椅子に座って鑑賞していたのですが、
画面上で血がブワッと流れるとき
ベルギー女子は
「Noooooooooooooo!!!!!!!!」
と叫びながら、私の羽織っていた上着をはぎとってきましたからね。
怖いなら、自分の手で目を覆えばいいだけだと思うんですけど。。
そして鑑賞後、彼女は
「この映画から学ぶことは何か?」
などと真面目に問題提起してきました。
きっと後半怖すぎて、自分では答えが見つけられなかったんだと思います。
ホンジュラス男子は終始きわめて冷静で
「うん。各シーンでキャラクターの行動の動機が見える」
などと分析。
注目の韓国女子は
「とてもよく社会が描かれている。英語字幕もよくできてる。
色々なメタファーが用いられているから繰り返し見ても楽しめるね」
と韓国語ネイティブならではのコメント。
フィリピン女子は、映画が終わってメンバーの緊張が少しほぐれたとたん
「この地下も実は…」←(映画を見れば意味が分かります!)
とジョークを飛ばしてきて、さすがのユーモアセンスでした。
個人的には、作中でキャラクターが金正恩のモノマネをしてきたとき、度肝を抜かれたように感じました。
日本人の感覚からすると「やってはいけない」タブーの一つかと思っていたので。
純粋にうがった視点なしで見ると、主人公の成長期、息子と父との生き方の違いが一つのキーポイントかなと感じました。←(これも映画を見れば意味が分かります!)
また、ところどころで金持ち韓国人が英語フレーズを会話にはさんでくるのですが、
「あれは何なの?」
と韓国女子に質問したところ、
「英語ができる=高い教育を受けた=社会的ステータスの誇示、を表現してるね」
と解説してくれました。さらに彼女は
「得意げに英語をしゃべっているけど、役者は韓国なまりを強く入れて、本当はそんなに英語ができない、というところまで演技している」
と追加でコメント。
なるほど、それは気がつかなかった~。
本作で韓国映画バージンを卒業したMATSUKO。
総じて『パラサイト』、ユニークな表現手法で韓国社会の様子が垣間見れ、ボン・ジュノ監督の他作品を見てみたいと感じさせました。
そういえば先日、Guardianの記事でボン・ジュノ監督が
"The most personal is the most creative"
(最も個人的なことが最も創造的)
をモットーにしている、と読みました。
これは元々マーティン・スコセッシ監督の言葉らしい。
うーん、たしかになぁ。
それでは失礼します~