【Week9】フィジー初の世界遺産・レブカへ出張!
こんにちは、MATSUKOです。
フィジーに来て2カ月ほど経ち、ナショナルトラストフィジーでパンフレット改訂に勤しんでいたMATSUKO。
作成したドラフトを確認者に回し「正直ちょっと手持ち無沙汰」状態に。
そこでディレクターに「何かできることないですかね?」と聞いたところ
「今週末からレブカ出張に行くけど、一緒に来る?」
と、まさに棚からぼた餅が落ちました。
ありがとう、フィジー! ええ、喜んで!!!
▲レブカのHorse Trackという開けた土地からの眺望
レブカ(Levuka)とは
レブカはオバラウ島(Ovalau Island)に位置する町の名前で、その歴史的港町は2013年、フィジーで初めて世界遺産に登録されました。
世界遺産登録名称は「Levuka Hstorical Port Town」で、まさにレブカの町全体が世界遺産なのです。
それではなぜ、レブカが世界遺産に登録されたのでしょうか。
その理由を探るために、町の歴史をひも解いてみましょう。
ときは19世紀、ヨーロッパが交易を世界各国に拡大していた頃、その影響はフィジー含む大洋州にも広がっていました。
そんななか、自然環境に恵まれ、ヨーロッパ人に友好的だったレブカは多くの船が立ち寄る人気の港となり、ヨーロッパとフィジーの価値観・文化の融合を経ながら発展してきました。
1874年には、レブカのナソバ(Nasova)においてイギリスへの割譲式(Deed of Cessionが行われ、レブカはフィジーの首都となりました。
▲イギリス割譲当時のフィジーの王・Tui Kaba(左)とヴィクトリア女王(右)
レブカのコロニアル建物や町並みは、その交流の歴史を読み取ることができるという点で、大きな価値があります。
さらに歴史的な建物・町並みのなかで現代も人々が生活を営んでいる、
つまり「生きる遺産」であることが世界遺産としてとても重要なポイントなのです。
(出典:JICAボランティア資料)
▲1858年に建築されたSacred Heart Catholic Church
Cyclone Winstonとナショナルトラストの活動
レブカが世界遺産に登録されてまもなく2015年、サイクロン(Cyclone Winston)がフィジーに甚大な被害をもたらしました。
レブカも建物が倒壊してしまったり、土砂崩れが起きたりと大きな被害を受けました。
残念ながらその復興はなかなか進んでいないのが現状です。
そこでナショナルトラストは現在、災害リスク軽減(Disaster Risk Reduction)に取り組んでいます。
今回の出張の目的は、プロジェクトの一環としてリスクと脆弱性の調査をすることでした。
ということで、ディレクター・地理情報オフィサー・建築専門家と私の4人でレブカへ向かいました。
私はレブカに行ったことがなく、現地スタッフとの挨拶とパンフレットの打ち合わせ・写真撮影も兼ねて連れて行ってもらったのです。
ナショナルトラストは元々、レブカにあるコミュニティセンター(観光案内、博物館、図書館の機能を果たす)を運営しています。
▲ナショナルトラストが運営するコミュニティセンター。建物はフィジーの大手スーパー「MH」の第一号店
▲博物館では貴重な歴史的資料を見ることができる
▲地元の子どもたちへのレクリエーション活動も行っている
出張中、ディレクターの話の中で興味深かったのが
「レブカ歴史的港町は植民地時代の遺産なので、多くの住民たちが自分たちの遺産として誇りを持っていないわ。でもこれらは、”私たちの文化”でないかもしれないけれど、”私たちの遺産”なのよ」
というコメント。
確かにレブカでは、ビール瓶のポイ捨てが目立ったり、焼けた建物が放置されていたりします。
ナショナルトラストは住民たちへの啓蒙活動も行っていく予定ですが、とても地道で長い道のりになることでしょう。
日本の地方にも類似した問題は数多いと思います。
そのような議論も活発にしていかないといけないですね。
それでは失礼します~